丸山真男は「政治学事典」の中で「政治的無関心」の項目を執筆し、そこで、なぜ「政治的無関心」が発生し、促進されたのかについて考察している。
しかし、政治的無関心が増大するのは或る意味で正常な現象ではないのか。なぜなら、それはあくまでも「政治」に対する無関心ではあっても、「人権」に対する無関心ではないから。そして、「政治」の本質が「敵と味方」の権力闘争であれば市民がそれに背を向けたくなるのは無理もないから。これに対し、「人権」の本質は、政治とは異端の、ひとりひとりの迷える市民の苦悩を解決するものであり、その苦悩に直面した市民はそれに背を向ける訳にはいかない。
半世紀前、なぜ公害問題に火がついたのか、それは「政治」(敵と味方の権力闘争)ではなく、「人権」の問題として捉えられたから。公害では政治闘争のような勝利者はいない、「市民すべて」が環境から命、健康、暮しが守られることにより勝利者になる。
チェルノブイリ法日本版もまた、「政治」(敵と味方の権力闘争)の問題ではなく、「人権」のど真ん中の問題。
0 件のコメント:
コメントを投稿